■カレント・インデクス No.00353(2008.02.25)

 

 

 

日本家族の困難 4

日本家族、新しい芽は

 

 

 

  目  次

  T.日本家族、新しい芽

   1.今後の人口構造の変化と地域・家族をめぐる課題/内閣府「少子化の状況及び少子化への対処施策の概況 平成18年度 (少子化社会白書)」2007年11月

   2.家庭の役割/内閣府「国民生活に関する世論調査 (平成19年7月調査)」2007年9月

   3.家族を大切と思う人は増加している/内閣府「国民生活白書 平成19年版 つながりが築く豊かな国民生活」2007年6月

   4.近居による新しい交流の形/内閣府「国民生活白書 平成19年版 つながりが築く豊かな国民生活」2007年6月

   5.「結婚することには多くの夢がある」/内閣府「国民生活選好度調査 平成16年度 −これからの次世代育成−」2005年11月

   6.結婚制度に対する価値観の多様化/内閣府「国民生活白書 平成17年版 〜子育て世代の意識と生活〜」2005年9月

   7.女性の働き方に中立的な社会制度/内閣府「生活・地域ワーキング・グループ報告書−政策の選択と集中で成熟した国民生活と多様な地域社会を目指す−(「日本21世紀ビジョン」に関する専門調査会)」2005年4月

   8.結婚・家族に関する意識/厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査) 第2報告書 平成17年 わが国独身層の結婚観と家族観」2007年3月

   9.夫婦間の役割分業意識/厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「第3回全国家庭動向調査 (2003年社会保障・人口問題基本調査) −現代日本の家庭変動−」2007年3月

  U.報告・資料

 

 

「家族のつながりの変化を見る前に、そもそも人々にとって家族とは何か、あるいはどこまでの範囲が「家族」として定義されるのかを考える必要があるだろう。家族の定義には様々なものがある。時代や社会によっても異なるし、個人によっても異なるだろうが、人々はどこまでの範囲を家族であると認識しているのだろうか。内閣府の国民生活モニターに、家族と考える範囲について尋ねたところ、同居している親族については、「配偶者」と答えた人が91.4%と最も多く、次いで「子ども」が87.6%、「親」が70.8%となっている。また、「孫」、「祖父母」、「兄弟(姉妹)」についても、それぞれ4割以上の人が家族と考えると回答している。そして、別居している親族については、「親」が66.1%と最も高く、次いで「子ども」が55.4%、「兄弟(姉妹)」が53.2%と高くなっているほか、「配偶者」が40.1%、「孫」が45.1%、「祖父母」が43.3%とそれぞれ4割を超えている。つまりここからは、同居別居にかかわらず、親、子ども、祖父母、孫などの直系の親族と、配偶者、兄弟(姉妹)までを「家族」の範囲ととらえる人が多いことが見て取れる」(内閣府「国民生活白書 平成19年版 つながりが築く豊かな国民生活」2007年6月)。

 

「男女一人一人の生き方が多様化する中で、男性も女性もともに家族としての責任を担い、また、社会がこれを支援していくことが重要となっている。特に男性については、従来の職場中心の意識・ライフスタイルから職場・家庭・地域のバランスのとれたライフスタイルへの転換の支援が求められている。このため、仕事と家庭生活の両立支援を進め、働き方の見直しを大幅に進めるとともに、家庭、地域社会における男女共同参画を進め、男女が共に職業生活と家庭生活、地域生活等を両立することができる基盤を整備していくこととする」(内閣府「男女共同参画基本計画(第2次)」2005年12月)。

 

「1970年代央を境に、高度経済成長が終焉し、出生率の人口置換水準(2.08)以下への低下が始まった。戦後家族モデルを成り立たせていた諸条件が失われ始めたのである。晩婚化・未婚化の進行、離婚の増加、共稼ぎ世帯の増加など、「標準的ライフコース」が崩れ、個人の生き方や家族との関わり方が多様になった。こうした中で、近年、家族への帰属意識が希薄化しつつある(「個人化」の進行)。いくつかの意識調査結果を見ても、家族は依然として団らんや安らぎの場である一方で、家族の繋がりとしては緩やかなものを求める傾向が見られるようになっている」(財務省「わが国経済社会の構造変化の「実像」について「量」から「質」へ、そして「標準」から「多様」へ〜(税制調査会基本問題小委員会)」2004年6月)。

 

 少子高齢化の進展、変わらないジェンダー意識、家庭内暴力や虐待、ひきこもりなど続発する家族問題。家族はさまざまな問題を抱えている。家族は揺れている。家族はというより、この時代のなかの家族が、あるいは社会が、というほうがより妥当であるかもしれない。

 

 総合研究開発機構が昨年まとめた『2010年代 世界の不安、日本の課題』(2007年3月)のヒアリング編<社会・文化領域>に、「日本家族の困難−アジアとヨーロッパの比較から−」(落合恵美子)があった。今世界中で家族が揺れている、その中で日本の家族は特に困難な状況にあるのではないか、その原因は何なのかを論じ、いくつかの課題、今後の方向をかんがえたものだ。

 この「日本家族の困難」というキーワードを出発点として、1.少子化の行方、2.変わらないジェンダー分業、3.続発する家族問題のテーマのもとに、政府の報告、資料から現在の家族の困難、これからの家族の行方をみてきた。

 今回は、4.日本家族、新しい芽。

 

 さて、日本家族、そこに新しい芽は?

 新しい芽は、「男女一人ひとりが、職場、家庭(子育て、介護を含む)、地域社会などでの責任を果たしながら、多様な活動に従事でき、自らの能力を十分に発揮し豊かさを実感できる社会である。また、企業・組織が、働き手一人ひとりの価値観・必要性・希望を尊重した形で、多様な人材の能力を発揮させ、生産性を高めて活動する活力に満ちた社会である」(内閣府「「ワーク・ライフ・バランス」推進の基本的方向報告(男女共同参画会議仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会)」2007年7月)といったビジョンにも、あるいは、「「あなたにとって一番大切なものは何か」との質問に対し、「家族」を挙げる人の割合は1958年には約1割に過ぎなかったが、70年代以降は一貫して高まり続け、2003年には約5割となっている」(内閣府「国民生活白書 平成19年版」2007年6月)といったアンケート調査結果にも、また、「事実婚を選択している特に女性たちの意識の変化は、従来の世帯単位から個人単位を重視する社会の流れへも反映されており、我が国においても次第に事実婚を婚姻に準ずるものとする考え方が採り入れられ始めている」(内閣府「国民生活白書 平成17年版」2005年9月)といった分析のなかにも、そこに描き分析されたように整合されたかたちにではないにしても、個々の動きや芽を、新しい時代の方向に向けて具現化していくであろう趨勢を読むことができる。

 

 

T.日本家族、新しい芽

1.今後の人口構造の変化と地域・家族をめぐる課題

 資料:内閣府「少子化の状況及び少子化への対処施策の概況 平成18年度 (少子化社会白書)」2007年11月

 以下は、第1部.少子化対策の現状と課題>第3章.働き方や子育て支援サービスをめぐる課題>第2節.子育て支援サービスをめぐる今後の方向性>1.今後の人口構造の変化と地域・家族をめぐる課題。

 

(地域・家族をめぐる課題)

 前節でも述べたように、国民一人ひとりが労働者として仕事上の責任を果たしつつ、生活者として家族生活など個人や家族のライフステージに応じた多様な希望の実現を可能とする「ワーク・ライフ・バランス」の実現が少子化対策における最優先課題となっている。このような認識のもと、地域・家族をめぐる課題を考えると、「多様で公正な働き方の選択肢が充実し、結婚や出産・子育てと就労をめぐって様々な選択ができるような環境整備が進められる動きの中で、どのような選択をとったとしても、子どもの成長を育むという家族の機能が果たされるよう、地域が家族を支援する体制を構築すること」と整理できる。

 このため、多様な働き方の選択と、結婚や出産・子育てとが、二者択一にならないよう、社会的な制度や地域の子育て支援のサービス基盤を整備していくことが求められている。

 また、家庭における子育ては、どのようなライフスタイルを選択していたとしても、すべての人に共通する営みであるが、これまで家族の役割に委ねられ、支援の必要性の十分な認識が共有されてこなかったため、特に、専業主婦の育児不安が強いままの状態が続いている。地域における人のつながりが希薄化する中で、家庭における子育てを地域が支え、子どもの育ちを保障する体制の構築の必要性が高まっており、また、このような支援は、専業主婦に限らず、多様な働き方で就労する男性にも、女性にも、共通する課題であり、企業を含めた地域社会全体での取組が求められている。

 さらに、近年、児童虐待が増加しているが、その背景には、子育ての孤立化の深まりや、子育て家庭を取り巻く経済的な状況の不安定化、様々な障害のある子どもに対する社会的支援の不足等がある。「すべての子ども、すべての家族を応援する」という観点からは、こうした様々な事情により困難な状況にある子どもや家族への支援についても、地域における子育て支援の延長線上の課題として取り組まなければならない。

 このように、すべての子どもの育ちを支え、子どもの成長を育むすべての家族を、子育て中の人もそうでない人も含めて地域全体で支えていくということが、今日の地域・家族をめぐって取り組むべき課題となっている。また、こうした取組は、地域社会の構成員が力をあわせる中で営まれる活動であり、地域コミュニティの再生につながるという意味からも重要である。

 

(世帯構成や地域社会の姿等、生活の状況の変化)

 特別部会の議論の整理では、新人口推計にみられる人口構造の変化は、単なる人口減少にとどまらず、社会経済の状況や世帯の状況、地域社会の姿などにも大きな影響を与えることが指摘されている。

2055(平成67)年には、50歳代以上の者の属する世帯のうち4割以上が「単身かつ無子世帯」となることも想定されるが、単身世帯は、世帯員相互のインフォーマルな支援が期待できないことから相対的に失業や疾病・災害といった社会的リスクに弱く、社会システムによる支援がより必要であり、経済的にも可処分所得減少の影響を受けやすい。こうした単身世帯の増大は、介護問題をはじめとした支援を要する世帯の増大や負担能力の減少など、社会全体に大きな影響を及ぼすことが懸念される。

 同様に、毎年の出生数は、2030(平成42)年には約70万人、2055年には50万人弱となる見通しであり、通常の地域社会において平日昼間に目にする子どもの数は少なくなり、地域社会の支え手も相当部分が高齢者になることが想定される。

 また、子どもの立場でみても、「仲間と一緒に豊かに育つ」という健全な育成環境が確保されなくなるおそれがあり、社会全体としてみても、文化の継承者が少なくなり、未来への希望が持ちにくくなることが懸念される。

 また、父親が長時間労働等により子育てに十分時間をかけることができない職場環境や、家庭・地域における子育てに対するサポートが十分受けられない状況が続けば、育児不安や孤立感を持つ母親の数が増加し、その影響を受ける子どもの心の問題も深刻化する可能性がある。

 今後、このような世帯や地域社会の姿、暮らしの変化を踏まえ、地域における子育て支援の在り方を検討していくことが求められている。

 

⇒ 本文: http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2007/19webhonpen/index.html

 

 

2.家庭の役割

 資料:内閣府「国民生活に関する世論調査 (平成19年7月調査)」2007年9月

 以下は、3.生き方、考え方について>(1)家庭の役割。

 

 あなたにとって家庭はどのような意味をもっているかと聞いたところ,「家族の団らんの場」を挙げた者の割合が64.2%と最も高く,以下,「休息・やすらぎの場」(58.1%),「家族の絆(きずな)を強める場」(54.2%),「親子が共に成長する場」(39.5%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)

 前回の調査結果と比較してみると,「家族の団らんの場」(66.5%→64.2%),「休息・やすらぎの場」(61.5%→58.1%)を挙げた者の割合が低下している。

 都市規模別に見ると,「家族の団らんの場」を挙げた者の割合は町村で高くなっている。

 性別に見ると,「家族の絆(きずな)を強める場」,「親子が共に成長する場」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。

 性・年齢別に見ると,「家族の団らんの場」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代から40歳代で,「休息・やすらぎの場」を挙げた者の割合は男性の20歳代,30歳代,女性の20歳代,40歳代,50歳代で,「家族の絆(きずな)を強める場」を挙げた者の割合は女性の30歳代から50歳代で,「親子が共に成長する場」を挙げた者の割合は男性の30歳代,女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。

 職業別に見ると,「家族の団らんの場」,「休息・やすらぎの場」,「親子が共に成長する場」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で,それぞれ高くなっている。

 

図41 家庭の役割

 

⇒ 本文: http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-life/index.html

 

 

3.家族を大切と思う人は増加している

 資料:内閣府「国民生活白書 平成19年版 つながりが築く豊かな国民生活」2007年6月

 以下は、第1章.家族のつながり>第2節.家族のつながりの変化による影響>1.精神的やすらぎへの影響。

 

●家族を大切と思う人は増加している

 人は家族に様々な役割を求めているが、第1節で指摘したように、その中でも、やすらぎを得る、愛情を感じるなど、家族から精神的なやすらぎや充足感を得ようとしている。先に、近年、心の豊かさがより重視されるようなった点を見たが、このような中で精神的な豊かさをもたらすことが期待される家族の存在が、人々にとってより重要な存在になっていると考えられる。

 「あなたにとって一番大切なものは何か」との質問に対し、「家族」を挙げる人の割合は1958年には約1割に過ぎなかったが、70年代以降は一貫して高まり続け、2003年には約5割となっている(第1-2-1図)。前節では家族のつながりの弱まりを幾つかの指標から見てきたが、家族を何よりも大切と思う人は、逆に大きく増えていることがこの結果から見て取れる。

 

第1-2-1図 家族が一番大切と思う人は増加している

 

⇒ 本文: http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/01_honpen/index.html

 

 

4.近居による新しい交流の形

 資料:内閣府「国民生活白書 平成19年版 つながりが築く豊かな国民生活」2007年6月

 以下は、第1章.家族のつながり>第3節.家族のつながりの再構築に向けた新たな動き>1.家族と過ごす機会や時間を増やす取組。

 

●近居による新しい交流の形

 結婚した人が親と別居する割合が増加し続ける一方で、若い世代を中心として自分や配偶者の親の近くに住む、いわゆる「近居」が増えている。94年と2007年を比べてみると、既婚者が親世代と二世帯住宅や同じ敷地内に住んでいる割合は3.4%から8.5%へ、1時間以内の距離に住んでいる割合は51.6%から67.5%へとそれぞれ高まっている(第1-3-1図)。

 

第1-3-1図 増える親世代との近居

 

 この傾向は、若年層で特に強く見られ、20代既婚者の「敷地内別居」、「親世代の距離が1時間以内」を合わせた割合は78.4%、30代既婚者では82.2%にも達している12。

 実際に近居についてどのように感じているかを、国民生活モニターに尋ねたところ、「娘夫婦は共働きなので、娘の帰りが遅くなる時はメールしてもらう。自分は食事を作っておいて、(娘夫婦に)食べに来てもらうようにしている」(50代女性)、「二世帯住宅なので、庭の手入れや病気の際の看護の他、家族の誕生日やお盆の祭りなど、諸行事を一緒に行っている」(60代女性)、「食事を作って取りに来てもらったり届けたりと家を行ったり来たりしている」(60代女性)、「スープの冷めない距離に住んでいるので何かと理由を付けて1ヶ月に一度以上皆で集まってお茶や食事をしている」(60代女性)など、家族とのつながりを深めている様子が報告された。

 このように近居により、親世代と適度な距離感とプライバシーを保ちながらも、困った時には助け合ったり、機会があるごとに一緒に行事を楽しんだりするような関係が構築されている。どの家族でも近居することが可能なわけではないが、それぞれの生活を楽しみながら、家族のきずなも大切にしたいと考える人々の意識に合ったつながりの形であると考えられる。

 

⇒ 本文: http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/01_honpen/index.html

 

 

5.「結婚することには多くの夢がある」

 資料:内閣府「国民生活選好度調査 平成16年度 −これからの次世代育成−」2005年11月

 以下は、U.調査結果>第1章.結婚・家族に関する意識>1.結婚観。

 

「結婚することには多くの夢がある」とする人の割合は既婚の人で高い

 はじめに、結婚に対する考え方のうち、結婚することには多くの夢があるかどうかを尋ねたところ(問1(ア))、「そう思う」(「全くそう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計)と回答した人の割合が65.8%となった。男女別にみると、男性の方が「そう思う」と回答した人の割合がやや高い。また、結婚状態別にみると、「既婚」の方が「そう思う」と回答した人の割合が高い。

 2001年に同様の質問をした時と比べると、全体、男女別では大きな差は見られないが、結婚状態別で見ると、未婚で「そう思う」と回答した人の割合は、2001年の57.3%から今回は50.9%と減少しており、未婚層で結婚に夢を持つ人々がやや減少してきている(第1−1図)。

 

(第1-1図)「結婚することには多くの夢がある」とする人の割合は既婚の人で高い

     「結婚に関する次のような考え方について、あなたはどのように思いますか。(ア)から(カ)までのそれぞれについて、あてはまるものに○をお付け下さい。(○はそれぞれ1つずつ)(ア)結婚することには多くの夢がある」

 

⇒ 本文: http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/senkoudo.html

 

 

6.結婚制度に対する価値観の多様化

 資料:内閣府「国民生活白書 平成17年版 〜子育て世代の意識と生活〜」2005年9月

 以下は、第1章.結婚・出生行動の変化>補論1.結婚行動における新しい流れ>3.法律には基づかない「結婚」−同棲と事実婚。

 

事実婚の背後には結婚制度に対する価値観の多様化がある

 一方、法律に基づく婚姻届は出さず、事実上の結婚生活を送ることを選択している人たちも多くなっていると言われている。こうした「結婚」は「事実婚」と呼ばれ、社会的な認知が進むにつれて一部の法律においては法律婚とほぼ同じ権利・義務がおかれるようになってきている。

 なぜこうした事実婚を選択するカップルが増えているのだろうか。事実婚カップルに対する調査において「婚姻届を出さないでカップルで生活するようになった理由」を尋ねたところ、女性では「夫婦別姓を通すため」を回答した人の割合が最も多く、「戸籍制度に反対」、「性関係はプライベートなことなので、国に届ける必要を感じない」、「夫は仕事、妻は家事という性別役割分担から解放されやすい」が続く(第1−補1−9図)。男性においても女性と同様の傾向が見られるが、特徴的なのは「相手の非婚の生き方の尊重」を回答した割合が高い点である。事実婚カップルにおいては、現状の結婚や戸籍制度などの社会制度についての価値観の多様化を反映して事実婚を選択しているとともに、男性にはむしろパートナーである女性の意志に配慮して事実婚を選択している場合もあることが分かる。また、同じ調査によると、家庭内での生活費については、男女同じくらいに負担すると回答している割合が最も高いことから、事実婚の女性には経済力があることが特徴であるとも分析されている。

 

第1-補1−9図 事実婚を選択する理由には結婚制度への違和感が見られる

 

 こうした事実婚を選択している特に女性たちの意識の変化は、従来の世帯単位から個人単位を重視する社会の流れへも反映されており、我が国においても次第に事実婚を婚姻に準ずるものとする考え方が採り入れられ始めている。

 

⇒ 本文: http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html

 

 

7.女性の働き方に中立的な社会制度

 資料:内閣府「生活・地域ワーキング・グループ報告書−政策の選択と集中で成熟した国民生活と多様な地域社会を目指す−(「日本21世紀ビジョン」に関する専門調査会)」2005年4月

 以下は、1.豊かで多様な国民生活に必要となる新たな「三種の神器」>第3章.より良いシナリオへの道筋>(3)楽しみながら子育てができる社会環境の形成。

 

(女性の働き方に中立的な社会制度)

 少子化時代の家族の考え方として、「夫は仕事、妻は家庭」という伝統的な役割分担に基づく働き方を改革し、共働き世帯を標準として、仕事と家庭の両立を実現するための選択肢を拡大する。具体的には、給与の配偶者手当や税の配偶者控除、年金の第三号被保険者制度など、専業主婦を前提とした世帯単位の社会制度を個人単位の制度に改め、多様な働き方や家族形態の選択に対して中立的な制度を構築する。国民生活のリスクをカバーする効率的・持続的な社会制度の下で、子育てを社会的に支援し、効率的な保育サービスの提供を拡充する。

 子育てにおいては、家族の責任だけでなく社会的な扶養も重要であるという観点からは、高齢者介護と共通する面も大きいことから、適正な自己負担を前提とした上で、子育て支援のための様々な公的支援策を統合し、介護保険と基本的に同様な仕組みの「育児保険」の創設を検討する。

 さらに、高齢者介護や児童保育を社会的に支える仕組みを構築するためにも、利用者の多様な選択肢を確保する。そのために、公立・社会福祉法人立の施設への補助から、利用者への個人助成に転換していくことにより、NPOや企業が運営するものも含めた介護施設・保育所などの間の競争を促進する。介護・保育を、特定の人々だけを対象とした公的福祉に限らず、一般の人々が自由に利用できるサービス産業として確立するため、経営形態に関する参入規制を撤廃し、利用者保護のための事業規制へ転換する。

 

⇒ 本文: http://www.keizai-shimon.go.jp/special/vision/index.html

 

 

8.結婚・家族に関する意識

 資料:厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査) 第2報告書 平成17年 わが国独身層の結婚観と家族観 (調査研究報告資料 第24号)」2007年3月

 以下は、4.未婚者の生活と意識−若者たちを取り巻く状況と意識−>(3)結婚・家族に関する意識と評価。

 

・結婚・家族を支持する意識に復調が見られる

 未婚者の結婚・家族に対する意識は、全般に独身でいることを肯定する意識がゆらぎ、家族・結婚を支持する意識に復調が見られる。@生涯独身はよくない、A同棲するなら結婚すべき、E結婚に犠牲は当然、G子どもは持つべき、I離婚は避けるべき、などで支持が増えている。しかし、F夫は仕事、妻は家庭、と考える人は継続的に減少しており、D結婚後も自己目標を持つべき、は継続的に増加している。概して、男性の方が女性に比べて伝統的な家族のあり方に対して肯定的な傾向が見られる。

 

第4-4 結婚・家族に関する意識の構成比(第13回調査)

 

⇒ 本文: http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou13_s/doukou13_s.asp

 

 

9.夫婦間の役割分業意識

 資料:厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所「第3回全国家庭動向調査 (2003年社会保障・人口問題基本調査) −現代日本の家庭変動− (調査研究報告資料第22号)」2007年3月

 以下は、結果の概要>5.家族に関する妻の意識>2.夫婦に関する規範意識>(1)夫婦間の役割分業意識。

 

・各年齢層で役割分業肯定派が減り、否定派が増加

 「結婚後は、夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」という役割分業規範に対する意見を妻の年齢別にみる(表5-1)。性別分業肯定派(「まったく賛成」+「どちらかといえば賛成」、以下同様)は、ほぼ全年齢層で10ポイント以上減少し、20歳、30歳、40歳代では、30%台にまで低下した。50歳代の賛成派は44.8%であるが、15ポイントも減少している。また、同時に「まったく反対」派が、20歳、30歳、40歳代で10ポイント前後上昇し、2割程度にまで増えている。

 

表5-1 「結婚後は、夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」への賛否(妻の年齢別)

 

・フルタイムで働く妻は役割分業規範に8割近くが反対

 妻の働き方によっても、役割分業規範に対する考え方は大きく異なる(表5-2)。ただ、働き方の如何に関係なく、いずれの場合も役割分業肯定派は10ポイント前後減少している。専業主婦だけが過半数を維持(53.8%)し、逆に、常勤では賛成が2割で、反対は8割程度にまで達している。反対の内容も、「まったく反対」が18.3%から31.8%と13.5ポイントも上昇している。

 

・専業主婦も家事や育児は夫婦平等を望む

 しかしながら、夫婦間の役割分業規範を「夫も家事や育児を平等に分担すべきである」

という別の表現で尋ねると、かなり異なる反応となる(表5-3)。年齢別にみると、30歳代

で肯定的態度が最も高い。しかし、世代間の差異は小さく最大最小の差は5ポイント程度で

ある(ただ、「まったく賛成」の世代間の開きは大きくなっている)。いずれの世代でも、夫に対して家庭役割としての「家事や育児を平等に分担」してほしいと考えており、この傾向は、前回に比べ強まっている。妻の働き方別に賛否をみると、常勤で働く場合が、最も強い支持を示し、9割が「賛成」している。一方で専業主婦の妻の場合でも、ほぼ8割が「賛成」している。また、前回に比べ賛成の割合がもっとも増えたのは専業主婦で7.5ポイント上昇した。

 

表5-3 「夫も家事や育児を平等に負担すべきだ」への賛否(妻の年齢別、就業形態別)

 

⇒ 本文: http://www.ipss.go.jp/ps-katei/j/NSFJ3/NSFJ3_top.asp (概要)

 

 

U.報告・資料

※資料名所管/作成年月/規格/頁数/<資料整理(請求)番号>内容URL

◎内閣

1.「家族・地域の絆再生」政務官会議PT中間とりまとめ

 内閣/2006.5/A4/6p <20060505C167>

 http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2006/0516seimukan_pt.html

 

◎内閣府

1.「子どもと家族を応援する日本」重点戦略 (「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議とりまとめ)

 内閣府/2007.12/A4/62p <20080105B089>

 http://www8.cao.go.jp/shoushi/kaigi/ouen/index.html

 

2.少子化の状況及び少子化への対処施策の概況 平成18年度 (少子化社会白書)

 内閣府/2007.11/A4/214p <20071105A061>

 http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2007/19webhonpen/index.html

 http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/index-w.html

 

3.男女共同参画社会に関する世論調査 (平成19年8月調査)

 内閣府/2007.9/A4/251p <20071005A046>

 http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-danjyo/index.html

 

4.国民生活に関する世論調査 (平成19年7月調査)

 内閣府/2007.9/A4/245p <20070905B120>

 http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-life/index.html

 

5.国民生活選好度調査 平成18年度 −家族・地域・職場のつながり−

 内閣府/2007.8/A4/101p <20071105D266>

 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/senkoudo.html

 

6.平成18年度国民生活モニター調査結果(概要) (家族のつながりに関する調査)

 内閣府/2007.8/A4/15p <20070805E302>

 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/monitor/kazokutsunagaricyousa070824.pdf

 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/monitor/monitor.html

 

7.国民生活白書 平成19年版 つながりが築く豊かな国民生活

 内閣府/2007.6/A4/249p <20070605D289>

 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/01_honpen/index.html

 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html

 

8.男女共同参画白書 平成19年版

 内閣府/2007.6/A4/188p <20070605C204>

 http://www.gender.go.jp/whitepaper/h19/zentai/index.html

 http://www.gender.go.jp/whitepaper/h19/zentai/top.html

 

9.高齢社会白書 (平成19年版) −平成18年度高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 平成19年度高齢社会対策−

 内閣府/2007.6/A4/173p <20070605B134>

 http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2007/zenbun/19index.html

 http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

 

10.国民生活選好度調査 平成16年度 −これからの次世代育成−

 内閣府/2005.11/A4/82p <20060405B165>

 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/senkoudo.html

 

11.国民生活白書 平成17年版 〜子育て世代の意識と生活〜

 内閣府/2005.9/A4/153p <20051105C197>

 http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html

 

12.生活・地域ワーキング・グループ報告書−政策の選択と集中で成熟した国民生活と多様な地域社会を目指す−(「日本21世紀ビジョン」に関する専門調査会)

 内閣府/2005.4/A4/54p <20050405D269>

 http://www.keizai-shimon.go.jp/special/vision/index.html

 

◎内閣府経済社会総合研究所

1.フランスとドイツの家庭生活調査

 内閣府経済社会総合研究所/2005.4/A4/198p <20050505B109>

 http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou020/hou012.html

 

2.日本・スウェーデン家庭生活調査報告書

 内閣府経済社会総合研究所/2004.3/A4/147p <20040505B115>

 http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou020/hou011.html

 

◎財務省財務総合政策研究所

1.「少子化の要因と少子化社会に関する研究会」報告書

 財務省財務総合政策研究所/2005.8/A4/373p <20050805C220>

 http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/zk071/zk071_6.pdf (概要)

 http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu.htm

 

◎厚生労働省

1.第4回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況

 厚生労働省/2007.3/A4/28p <20070305B128>

 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/judan/seinen07/index.html

 

◎厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所

1.第13回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査) 第2報告書 平成17年 わが国独身層の結婚観と家族観 (調査研究報告資料 第24号)

 厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所/2007.3/A4/315p <20070605B142>

 http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou13_s/doukou13_s.asp (概要)

 

2.第13回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査) 第1報告書 平成17年 わが国夫婦の結婚過程と出生力 (調査研究報告資料 第23号)

 厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所/2007.3/A4/249p <20070605B141>

 http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou13/doukou13.asp (概要)

 

3.第3回全国家庭動向調査 (2003年社会保障・人口問題基本調査) −現代日本の家庭変動− (調査研究報告資料第22号)

 厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所/2007.3/A4/361p <20070605B135>

 http://www.ipss.go.jp/ps-katei/j/NSFJ3/NSFJ3_top.asp (概要)

 

4.現代日本の世帯変動 第5回世帯動態調査(2004年社会保障・人口問題基本調査) (調査研究報告資料第21号)

 厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所/2007.2/A4/325p <20070405D294>

 http://www.ipss.go.jp/ps-dotai/j/Dotai5-2/t-page/Nshc04-02.asp (概要)

 

5.日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計) 2005(平成17)年8月推計 −2000(平成12)年〜2025(平成37)年−

 厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所/2005.9/A4/314p <20051105B135>

 http://www.ipss.go.jp/pp-pjsetai/j/hpjp2005-2/t-page/t-page.asp (概要)

 

6.日本の世帯数の将来推計(全国推計) 2003(平成15)年10月推計 −2000(平成12)年〜2025(平成37)年−

 厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所/2003.10/A4/116p <20031005D349>

 http://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/Hprj2003-2/t-page/t-page.asp (概要)

 

◎総合研究開発機構

1.2010年代 世界の不安、日本の課題

 総合研究開発機構/2007.3/A4/552p <20070805E253>

 

※参 考:カレント・インデクス

     No.352 日本家族の困難3. 続発する家族問題(2008.02.18)

     No.351 日本家族の困難2. 変わらないジェンダー分業(2008.02.12)

     No.350 日本家族の困難1. 少子化の行方(2008.01.28)

     No.340 ワークライフ・バランスはなぜ必要か?(2007.10.08)

     No.278 社会・生活の将来像(2006.02.06)

     No.277 将来に備えるか、現在を楽しむか(2006.01.30)

     No.276 「家族」の現在、行方(2006.01.23)

     No.262 最近の白書は、「人口減少」をどうとらえているか? そのA(2005.08.22)

     No.261 最近の白書は、「人口減少」をどうとらえているか? その@(2005.08.15)

     No.261 人口減少が及ぼす影響(2005.01.17)

     No.200 人口減少社会の到来(2003.11.10)

     No.182 子育ては負担、か?(2003.06.16)

 

(2008.02.25)

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